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2カ所以上の会社で雇用されるようになった場合の社会保険の取り扱いについて解説します!

先日、知り合いの方から二つの事業所から報酬を得ることになり、そのために必要な手続きはどうすればよいのかとの問い合わせをいただきました。

一般的に、会社勤めの方は勤め先の会社(適用事業所)で社会保険に加入しなければなりません。

社会保険には「健康保険」と「厚生年金保険」があり、従業員のみならず会社の社長や役員の方でも加入することとなります。

通常、社会保険の加入手続きは、入社と同時に会社が行います。

しかし、すでに会社勤めをしていながら、新たに別の会社に勤める、もしくは別の仕事を始めるという例も少なくありません。

例えば、最近では本業の傍ら副業でアルバイトをすることなどが挙げられます。

また、会社の代表者が新たに別の会社を設立して、両方から報酬を受ける場合もこれに該当します。

今回は、このように2カ所以上の会社で雇用されるようになった場合の社会保険の加入について解説します。

社会保険の加入要件について

まず社会保険についてですが、日本では「国民皆保険・国民皆年金」という社会保障制度があり、強制加入を原則としています。

そして、社会保険が適用されている会社(適用事業所)と使用関係にあり、労働の対価として賃金を得ている人なら、国籍、年齢、賃金の多寡などに関係なく被保険者となります。

他に主な例外として、パートタイマーやアルバイトとして働く「短時間労働者」があげられますが、今回は正社員で働く方が二か所で働く場合についての解説になりますので、短時間労働者の社会保険加入については、別途、解説したいと思います。

2か所以上に該当した場合の手続きについて

そこで2カ所以上の会社で雇用される場合、どのように社会保険加入の要件が該当するか解説していきます。

2カ所以上の会社で社会保険の加入要件を満たした場合は、被保険者本人が主たる事務所を選択する必要があります。

具体的には、2カ所以上の会社で社会保険の加入要件を満たした事実の発生から10日以内に「健康保険・厚生年金保険 所属選択・二以上事業所勤務届」を提出します。

提出先は、選択する事業所の所在地を管轄する年金事務所です。

保険料の支払いについて

年金事務所では、すべての会社の給料を合算し、給料額に応じた各会社や被保険者本人の社会保険料を算定します。

会社や本人は、年金事務所の計算した金額を納めます。

例えばA社から30万円、B社から10万円の給料を受け取っていたとします。そこで、この給料(標準報酬月額)に対応する保険料がざっくりと4万円だったとします。

この場合、A社とB社の賃金は3:1であるため、社会保険料もこの割合で按分するため、按分後の保険料はA社分3万円、B社分1万円となります。

最後に

以上のように、2カ所以上の会社に雇用される場合でいずれも社会保険の加入要件を満たす場合は、それぞれの会社で資格取得届を提出する必要があります。

この場合いずれか一つの会社を選択事業所として届出を提出し、選択する会社の管轄する保険者によって一括して業務が取り扱われます。

そして、気になる点といたしまして、保険証の扱いはどうすればよいのかということだと思いますが、保険証は選択した会社のものを使うこととなります。

選択しなかった事業所の保険証は年金機構に返却することとなります。

今後、社員がダブルワークという形で仕事をするケースも増えてくる可能性があり、会社としてもその対応をする必要があります。

多様な働き方に合わせた適切な社会保険の取り扱いについては、やはりわかりにくい点も多いかと思います。

そんな何から手を付けていいのか、どう対応をすればいいのかわからないという場合は、お近くの社労士にでも声をかけてみてください。