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業務災害で死亡や休業が発生した場合に提出が求められる死傷病報告について解説します!

労働災害が発生し、労働者が休業したり、死亡したりした際には、労働基準監督署に労働者死傷病報告(以下、「死傷病報告」という)を提出することが義務付けられています。
先日も私の顧問先の従業員が業務中に両腕を骨折する大怪我を負ってしまい、労災の申請をし、私傷病報告もいたしました。
この提出を怠ると、「労災かくし」として問題になりますが、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
この度の記事では、この労災かくしとはどのようなものか、死傷病報告の提出に関して解説いたします。

労災かくしとは

労災かくしとは、故意に死傷病報告を提出しないこと、虚偽の内容を記載した死傷病報告を提出することを言います。

そもそも、この死傷病報告は労働安全衛生法において、同様の労働災害の再発防止のための対策を検討することを目的として提出義務が課せられています。

死傷病報告には、労働災害の程度により2種類の様式があり、死亡および休業4日以上の場合(様式第23号)と休業4日未満の場合(様式第24号)とに分かれます。

提出期限は、死亡および休業4日以上の場合は遅滞なく、休業4日未満の場合は四半期ごとの翌月末日までとなっています。

なお、提出先はいずれも企業を管轄する地域の労働基準監督署になります。

死傷病報告の提出に際して誤解しやすい点

死傷病報告は、労働災害が発生した際に提出すべきものであるため、休業4日未満で労災保険の休業補償給付を受けない場合であっても、提出する必要があります。

労災保険の休業補償給付を受けたときに提出するものだと誤解しているケースがありますが、労災保険の給付の有無に関わらず、死亡または休業した場合に提出が必要です。

なお、通勤途上の災害による休業や死亡の場合には、提出は不要です。

また、派遣労働者が労働災害にあった場合は、派遣元事業主、派遣先事業主ともに管轄する労働基準監督署へ死傷病報告を提出する義務があります。

流れとしては、まず派遣先事業主が、管轄する労働基準監督署に死傷病報告を提出し、その写しを派遣元事業主に送付します。

そして、派遣元事業主は、その写しの内容を踏まえて死傷病報告を作成し、派遣元を管轄する労働基準監督署に提出を行います。

最後に

この死傷病報告をはじめとした労災の申請は、なかなか面倒なものです。

どのような書類の提出が必要になるのか、また書き方はどうすればよいのか等、分からないという方は、一度社労士に相談してみてください。

きっとお役に立てるものと思います。